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竹内麻巳SS倉庫

Canvas2というゲームで、美術部部長の竹内麻巳のSSを掲載していく予定です。

君が望む一日(瑛里華SS 2008年誕生日)

「瑛里華」
「なに!?」
 作業を中断して顔を上げた瑛里華は、確実に俺が呼び終わる前に応えていた。物凄い反応速度――は、吸血鬼でなくなってなお運動神経抜群な事を考慮すれば理解出来るとしてだ。
 その期待に満ちた瞳を見るに、今日が何の日かはしっかり理解している様子である。
 物欲しそうな態度は今日一日で何度も見たが、ここへ来て最大級。無理も無い。何度もそれらしい話題を振りつつ華麗にスルーし続け、今や日も落ち監督生棟の外は真っ暗だ。
「もう、どうしたの? 何か用事があるんでしょう!?」
 突撃なんたらと呼ばれるにしては落ち着いて話を聞いてくれる人柄の瑛里華が、こうも話の先を促すのも珍しい。
 俺は内心苦笑しつつ、表向きは平常心を貫いた。
「今日は誕生日だな。おめでとう、瑛里華」
「そう、そうよね。すっかり忘れてたわ!」
 あからさまに嘘臭いが、きっと誤魔化す気は無いのだろう。建て前とかセオリーとか、きっとそんなところだ。
「で、誕生日といえばプレゼントなんだが」
「そんな、悪いわ~。うふふふふふ♪」
 ――これから言わねばならない内容を考えると、あの笑顔がどう変化するか分かりすぎて怖い。
 だが、まあ、それはそれで。
「すまん、忘れてた」
 彼女の動きが、笑顔のままでピタリと止まる。
 怒ったり、落ち込んだり、そういった反応を期待していた。何とか宥めながら帰り道を二人で歩いて――。それはそれで楽しいかも知れない、と思っていた。
 でも、現実は全然違った。
「そう」
 彼女はごく平坦な声音でそう言って座りなおし、あとは無言で作業を再開した。
「あの、さ。瑛里華……?」
 呆気に取られる俺にちらりと目をやり、気遣うようなぎこちない笑顔。
「仕方ないわ。誰でも、それくらいの失敗はあるもの。でも、そうね、次の休日にでも……何か期待して、いいかな?」
 笑顔のままだった。でも、俺にはそれが泣き出しそうな顔に見えた。
 ――すみません、かなでさん。俺、もう、耐えられないです。
「もちろんだ。あとで、ちゃんと祝おうって思ってるよ」
「あとで、ね……。うん、期待してる」
 一生懸命笑おうとしている、悲しそうな笑顔。
 期待していただけに――俺が祝ってくれると一欠片も疑わずに信じていただけに、有頂天だったのだろう。そこから突き落とされた先は『忘れてた』なんて酷すぎる一言。
 それでもなお、気を使って笑おうとしている。
 釘を打った様に胸が痛む。全てを言ってしまいたい。その衝動は抗い難く――。
 しかし、そこまで傷つけたのを無駄にしてしまうことにも抵抗を感じ、危ういところで踏みとどまった。
「ちょっと待ってろ」
 俺はノートを1ページ破り、定規で線を引いて12個のスペースに区切っていく。更にそこに、同じ文章を一枚一枚書き込んだ。
 切り離す時は、ちゃんとハサミを使って丁寧に。気持ちを込めて。
「……ぷっ」
 作業の途中、何をしているのか察したらしい。あまりに子供染みた行為に、瑛里華は噴き出した。実に嬉しそうに。
「後で埋め合わせはする。でも今も大切にしたいからな」
「有難う。嬉しいわ、こーへーくん♪」
 やっと本物の笑顔を見せてくれた瑛里華に、俺は『肩叩き券』を手渡した。



 帰り道、瑛里華はやっと俺を怒ってくれた。実に幸せそうに。
「愛しい彼女の誕生日を忘れているなんて……ホント、有り得ないわね。見てなさい。孝平の誕生日には、色んな意味で後悔させてやるんだから」
「そりゃ怖い。怖すぎて楽しみだ」
 大して笑える話題でなくとも、何故か目を見合わせては笑ってしまう。
 本当なら、この帰り道は俺が怒られ続けるはずだった。
 でも、やっぱり。
 折角の誕生日に悲しんだり怒ったりはよくない。むしろ当初の予定よりは上手くいったと思うし、かなでさんもきっと許してくれるだろう。
「なあ、瑛里華」
 そして。もちろん、ここからが本番だ。
「どうしたの、改まって」
「学食に寄っていこう」
「……そりゃ、夕食がまだだし。でも改まって言う事なの?」
 不思議そうな顔をしている瑛里華に、俺は詳細は告げずに意味深な笑みだけを返すのだった。



「お誕生日おめでとう!」
 真っ暗な学食に入った瞬間、出迎えたのは無数のクラッカーと祝福の言葉。
 瑛里華が驚き固まっている間に、大勢の生徒が手に持った蝋燭全てに火が灯され、幻想的な光景が浮かび上がる。蝋燭の光は入り口から学食の中心部まで伸びていて、光の回廊を作っていた。
 ――この場に居るのは、瑛里華と特に親しい友人達のみ。お茶会のメンバーも新旧共に揃っているし、既に卒業して学院を去ったはずのかなでさん、千堂先輩、東儀先輩も居る。
「おめでとー、えりりん♪」
「あ、あの、えっと、悠木……先輩? どうして……」
「毎年って訳にもいかないんだけどね~。今回だけはどうしても祝いに来てあげたかったの。……事情を知ってるのは極一部だけど、ある意味初めての誕生日だからね」
 最後のほうは耳元に口を寄せてひそひそと喋ってから、かなでさんは珍しくあっさり引き下がった。
 代わりに陽菜が前に出て、祝いの言葉を送る。
「おめでとう、えりちゃん」
「え、あ……ありがとう」
「いいよね、こう呼んでも」
「うん。凄く、嬉しい。私も、じゃあ……はるちゃん、かな?」
 照れくさいのか、瑛里華は俯き加減で言った。
 そんな様子に陽菜は嬉しそうに小さく笑って、一歩前に出ると両手で瑛里華の手を包み込み、
「陽菜、でいいよ。また親友になれたら、嬉しいな」
「……また、じゃないでしょ。思い出して、全部知って、それでもまだ友達で居てくれたなら……ずっと、親友よ」
 泣き出しそうな瑛里華を、陽菜はそっと抱き締めた。それだけでいくらか落ち着きを見せる。
「まだ続きがあるから、最後まで頑張ってね」
 そう言って、陽菜は名残惜しそうにしながらも瑛里華から離れた。
 困惑気味に俺を振り返った瑛里華に歩み寄り、優しくエスコートしてやる。二人でゆっくりと光の回廊を進み――。
 道の先にあるのは、瑛里華の笑顔が描かれ、18本の蝋燭が立てられた手作りのケーキだった。
 陽菜に作り方を聞いて、美術部の部長に弟子入りして、四苦八苦しながら何とか作り上げたものだ。
 俺はマッチを取り出し、蝋燭一つ一つに火を灯していく。
 この瞬間に、俺のプレゼントはやっと完成するのだ。他人に任せる訳にはいかない。
「さあ、瑛里華」
「……ありがとう、孝平。ちょっと悔しいけど、それ以上に嬉しい」
 蝋燭の火に照らされ、赤みがかって見える瑛里華は泣き笑いの様な表情で言ってから、一息で蝋燭の火を吹き消した。



 蝋燭の火が消えて、再び祝いの言葉が繰り返し送られて、場が少し落ち着いてきて。大体の所はすでに察しているだろうが、一応ここでネタバラシもする事になっていた。
 瑛里華を除くお茶会メンバーで相談し、かなでさんにも意見を聞いて、千堂先輩や東儀先輩やその他各方面に協力を仰いで今回のイベントは見事に成功した。持ち上げて落として持ち上げる、というのが今回のテーマ。その辺は俺に全て任されていたわけなのだが。
「かなでさん、すみません。ちょっとだけ喜ばせちゃいました」
「ふっふっふ~。こーへーが、そのまま意地悪だけで終われないなんて計算済みだよ。その場で必死に考えるからこそ、えりりんも嬉しいんだから。……そうだよね?」
「え、ええと……はい」
 真っ赤になりながらも頷く瑛里華に、会場からは口笛交じりに冷やかされる。
「それにしても、凄いわね。孝平にこんな特技があっただなんて」
「そうでもないさ。何度も失敗して、やっと形になったのが一つだけなんだからな」
 ちなみに失敗した分が会場の参加者達に配られる。残飯処理に近いが、そんな形でも協力いただく皆様は大いに乗り気だった。味に当たり外れがあるのはご愛嬌である。
「あたしも手伝ってやったんだ。一つくらいは成功してもらわねばな」
 偉そうに口を挟んできたのは伽耶さんだった。
「いや、まあ、助かりましたよ。あれだけ大量に作るのに掻き混ぜるのは大変ですから」
 暗にそれしかやってないとも言っているのだが、伽耶さんは全く気付かず、そうだろうと満足気に頷いている。
 とはいえ、ひたすら混ぜる、というのは言うほど楽では無い。吸血鬼ならではの底無しなスタミナには大いに助けられた。逆に余り過ぎなパワーには苦労させられたが、それはまた別のお話。
「本当は誰にも手伝わせないはずだったのに、年甲斐も無く駄々をこねてね。そりゃあ大変だったよ。いやいや、支倉君が心の広い人物で本当に良かった」
 わざとらしく背中を向けて千堂先輩は言ったが、発声が見事過ぎて周囲に丸聞こえだった。
「……聞こえているぞ、伊織」
 伽耶さんの目がスッと細くなる。だが、当の本人は全く悪びれた様子も無く笑っていた。
「力ずくで黙らせるかい? 瑛里華の誕生日を台無しにしてまで」
「む……。では後日改めて問い質すとしよう」
 水に流す気は無いらしい。精一杯の譲歩だったのだろうが、それでも物騒極まりなかった。
「もう、こんな日に物騒な話をしないで」
 そこに、怖いくらいニコニコしっぱなしの瑛里華が割って入った。
「しかしだな、瑛里華」
「母様、ありがとう」
 文句を言いたそうな伽耶さんに、瑛里華が抱きついた。いきなりの熱い抱擁に、うあう、と伽耶さんの口から意味不明な呻き声が漏れる。
「二人にも仲良くして欲しいの。……だから、仲直り。ね?」
「そ、そんなことをせずともな。ちゃんとプレゼントは用意してあるのだぞ」
「家族が喧嘩なんてしてたら、悲しくて受け取れない」
 瑛里華が我侭を言っている。内容は普通の家庭に当てはめればどうでもいい様な内容で、実際に大半の参加者はそう思っているだろう。
 だが、実際には百年積み重ねたわだかまりが存在する。この場での小さな小競り合いなどという問題ではないのだ。
 それなりに協力しあいながらこの日を迎えた二人だが、それでも親子仲良くとは言いがたかった。どこかよそよそしさの残る空気があった。
 それを、今ここで全て水に流せと言っている。今まで、そんな無理矢理な事は一度も言った事の無い瑛里華が、子供みたいな頑なさで。
「……嬉しいものだな、こういうのも」
「母親らしくなってきたじゃないか」
「なんだ、貴様こそその素直な笑顔は。気味の悪い」
「お互い様さ」
 二人の会話を聞きながら、ますます瑛里華の表情は有頂天を極めていく。
「じゃあ、仲直りの握手」
「むっ……」
 瑛里華が促すものの、これには伽耶さんもさすがに躊躇する。しかし一方で、千堂先輩は実にあっさりと手を差し出した。
「やれやれ、ってところだが……。駄々をこねる母親、ってのも格好が付かないですねぇ、母上?」
「……いいだろう。後悔しても知らぬぞ」
 二人の握手は、それはそれは力強いものになったのだが。
 何処と無くお互い楽しそうだったし、瑛里華はずっと幸せそうに眺めていたから、まあ良しとしよう。



 一般参加者それぞれからのプレゼントも終わり、ケーキも料理も全て食べ終わり、かなでさんと千堂先輩のダブルリサイタルショーも滞りなく終了。
 お茶会と生徒会の新旧メンバー、それに伽耶さんも含めた面子だけを残して解散となる。ここからが二次会の始まりだ。
「……ホント、色々考えるわね」
「嫌だったか?」
「ううん。むしろその逆。……でもこれ、何時まで続くの?」
「今日が終わるまで、さ」
 場所を談話室に移して、お嬢様っぽい服装に着替えさせられた瑛里華を囲むのは、執事とメイドの集団だ。
 一部に猫やら兎やらなオプションを付けたメイドさんも居たりするが、その辺は深く考えてはいけない。あんまり弄らないのが条件だったのだから。
「……それにしても、紅瀬ちゃん。よく似合ってるよ」
 そんな約束は早々に忘れ、吹き荒れるブリザードビームを平然と受け流している金髪馬鹿はまあ放っておくとして。
「かなり長期的な計画だったんだぞ。手作りだからな」
「そうなの?」
 瑛里華は驚いたように自分の服を見て、そして周囲の人間を見回す。
 まあデザインを見てもらえば分かるが、サイズの無いメイド服と男性人の執事服は手作りなものの、他は美化委員の制服を流用している。手間もそうだが、生地だって無料ではないのだから、これが予算的に精一杯だったのだ。
「予算を抑えるには、他に方法が無かったのよ」
「それでも東儀の人脈まで使わされたがな」
 新旧財務が、やや不満そうに言葉を並べる。紅瀬さんは、どうやら千堂先輩を無視する事に決めたらしい。
「悠木さんには感謝しないといけないわね。彼女の指導がなければ不可能だったでしょうから」
「そ、そんな。私なんて……。実際には紅瀬さんの方がずっと一杯縫ってたんだよ?」
「他人の面倒を見なかった。それだけよ」
 俺から見れば、二人とも一生懸命でしたというお話。瑛里華もそう感じたらしく、
「ありがとう」
 すでに今日何度目かも分からない感謝の言葉は、クールな紅瀬さんすら狼狽えさせるくらいに輝く笑顔と共に送られた。
「それにしても、よくまあ了承したわね」
 瑛里華は改めて彼女らの格好を見て感心している。
 メイド服は同じなのだが、紅瀬さんは猫の耳と尻尾、白ちゃんはウサギのそれを追加してある。
「伽耶が我侭を言うから」
「ふん。どの口がそれを言うか。満更でもなかろう?」
「……どっちでもいいわ」
 そっぽを向きながら言った紅瀬さんの頬は、いくらか色づいていた。
 皆で散々褒めぬいたから、場の空気も込みでそれなりに気に入ってくれたのかも知れない。
「まあ気紛れな紅瀬さんなら、ありえるとしても……」
 瑛里華の視線が、今度は白ちゃんに固定される。
「あの……?」
「征一郎さん、よく許したわね」
「兄さまは、最初から反対しませんでしたけど」
 白ちゃんが不思議そうな顔をしている。
 当然ながら裏で一悶着はあったのだが、俺だけでなく千堂先輩やかなでさん、伽耶さんまで加わっては東儀先輩と言えどたまらない。というか、伽耶さんが強行に主張すれば最初から折れるしかないのだった。



 メイドと執事に囲まれたお嬢様。皆がそれぞれにプレゼントを渡し、後は適当に瑛里華の世話を焼く時間に突入した。
 ここだけは遠慮しそうだとも思っていたのだが、瑛里華は結構ノリノリでテレビのチャンネル変えさせたり飲み物を持ってこさせたり、扇子で扇がせたりしている。
 俺は少しだけ心配していたのだが、かなでさんの『こういう時の空気は呼んでくれるって。相手はえりりんだよ?』という言葉が正しいと証明されたわけだ。
「どうだ、瑛里華?」
「うん、とっても快適♪」
 ちなみに、扇子というのはもちろん伽耶さんである。こんな命令は――お願いだって、他の誰にも出来ないだろう。伽耶さんも最初はブツクサ言っていたものの、今や夏の寝苦しい夜に子供を優しく仰いでやる母親みたいな顔をしている。
「ところで、孝平?」
「なんだ?」
「メイド服、やっぱり私の分なんて無いわよね……?」
「ふっふっふ……。そう言うかなー、と思って用意してありますっ!」
 答えたのは俺ではなく、かなでさんだった。



「なあ、これって必要あるのか……?」
「もちろん。後悔させる、って言ったでしょう」
「そりゃ俺の誕生日って話だったはずじゃ……」
 ソファに座って、メイドと化した瑛里華の代わりにお嬢様となったのは俺だった。
 ――瑛里華のメイド服はともかく、俺用のドレスが用意してある理由は大いに気になるところだが、かなでさんは笑うばかりで一向に答えてくれない。
「今日はえりりんの誕生日なんだから」
「そうそう、孝平君はもう少し頑張らないとね」
 悠木姉妹が面白がるように言った。後ろの方では白ちゃんや紅瀬さんまで興味深そうにこちらを見ている。
「よいではないか。似合っておるぞ」
 もちろん伽耶さんは完全に瑛里華の味方、というか最初から楽しむ気満々なので全く頼りにならない。
 救いを求めて東儀先輩に視線を送ると、気まずそうに目を逸らされた。――まあ、下手を打って巻き込まれては堪らんってところだろう。
「で、俺は座ってりゃいいのか?」
 観念して尋ねると、瑛里華は得意げに一枚の紙切れを差し出す。受け取ってみると『肩叩き券』と書かれている。
「監督生室で、俺が渡したやつじゃないか」
「そう。肩叩き券、つまり肩を叩く権利を保障するもの。決して叩かれる権利、とは書いてないわね」
「……屁理屈だろ、それは」
「いいのよ。今日だけ、今だけ。……ここまでされると、少しはお返ししたくなるじゃない?」
「それなら後で二人きりになってからゆっくり――」
「に~い~さ~ん~? お望みなら全力で叩いて差し上げましょうか?」
 千堂先輩は肩を竦めて、遠慮しておく、とあっさり引き下がった。
「じゃ、いくわよ」
「……お願いします」
 何となく畏まって答えると、瑛里華が俺の肩をゆっくり叩き始める。
 揉み解すのではなく、叩く。正直、あまり肩こりに効く気はしない。だが、こそばゆい感じがどこか懐かしく、心地良くもある。肩たたきというものは、マッサージではなく、気持ちを伝えるために行われる行為なのかも知れない。
 しかし二人きりならともかく、皆に囲まれてのコレは結構恥ずかしいものがあった。
「なあ、瑛里華。千堂先輩じゃないけどさ……」
「駄目よ。皆の中で、今のこの空気の中で、してあげたかったの」
 今日の主役にそう言われては、引き下がるしかない。
「ねえ、孝平」
「ん?」
「私ね、本当は凄く悲しくて、泣き出しそうだった」
 監督生室での事だろう。あの時の気持ちを思い出して、胸が締め付けられるような感覚を思い出す。
「……知ってたよ。だから黙ってられなくなった。でも、ごめん」
「ううん、いいの。だって、今はこんなに楽しくて、幸せなんだから」
 背中越しに、頬っぺたに優しい口付けをされた。それを皆が控えめに冷やかして――。

 主役は瑛里華のはずなのに、俺がこんなに良い思いをしていいのか。そう思ったのは最初だけだった。
 彼女は他人の幸せを自分の物として感じる人だから、自分も幸せで、俺の事も幸せにして、それを眺めている皆が幸せを共有して――。
 きっと、これこそが彼女の望む最高に幸せな一日だったのだろうと思う。

























少しでも楽しめたら、押してみてくれると作者が喜びます。





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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

  1. 2008/06/08(日) 19:53:58|
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