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竹内麻巳SS倉庫

Canvas2というゲームで、美術部部長の竹内麻巳のSSを掲載していく予定です。

ゼロを使い魔  第四話

 ◆◆◆◆◆第4話◆◆◆◆◆





 全ての授業が終わり、放課後の自由時間になると多くの生徒が中庭へと繰り出す。
 ギーシュが、自ら決闘の話を広めていたらしい。
<身の程を知らないというのは……>
「黙って」
 自らのデバイスの余計な発言を一言で封じ込めてから、なのはは疲れたように嘆息する。
 RHは凄く素直な良い子だったのに。どうしてこんなに捻じ曲がってしまったのだろう。ぶっちゃけルイズと『繋がった』事が作用しているとしか思えないのだが、当然ながら口には出せないなのはである。
 ルイズの性格からしても、自分と似たタイプとは反りが合わないのはいかにもありそうに思えた。
「まあ、憶測で言えることじゃないよね。言っても何が変わるわけでも無いし……」
<何か?>
「ううん、なんでもない」
 どの道、改善方法も無いなら今のRHと上手くやって行くしかないだろう。マスターとして、上手く手綱を握ってやれればいい。一応マスターを敬うというか畏れる気持ちはあるみたいだし、何とかなるだろう、たぶん。
「いくよ、レイジングハート」
<了解>
 なのはが宝玉を胸元から取り出し、掲げると周囲に光が満ち、野次馬達の視界からなのはの姿が見えなくなる。数秒の後にはその光も収まり、そこには純白のバリアジャケットに身を包んだなのはが、杖の形状を取ったRHを片手に立っていた。
 純白のバリアジャケットに施された見事な意匠はもちろんのこと、変身などという概念が無いために、一瞬で衣服が変わった事自体にも驚きの声が上がる。さすがは専門家の養成学校、異界の魔法体系に興味津々の様子だった。なのはにしてみれば、恐怖や混乱という反応をされないだけでも有難い。
 そんな中で、才人はうんうんとしきりに頷き、ルイズが何となく不機嫌になってそれを殴り飛ばしている。二人の微笑ましい日常風景を視界の外へと追いやり、なのはは目の前の金髪少年に視線を向けた。
「何だか知らないが、ともかく準備は出来たようだね」
「いつでもどうぞ」
 構えもせず、無造作に杖を握って立つだけで魔法を使おうともしないなのは。
 いつ、どこからでも好きなように攻撃してこいという指導教官の様な振る舞いに、ギーシュはいささか気分を害していたが、さすがに相手が小さな女の子という事もあり何とか自制する。
「ふっ……。まあ、怪我をしないように手加減はしてやるよ」
「はぁ。それはどうも」
 なのはのすっとぼけた受け答えに、ギーシュは危うく抑えたばかりの激情が漏れ出しそうになった。
 これ以上話していると醜態を晒しかねない。手っ取り早く済ませてしまおう、とワルキューレを一体召喚する。
 ワルキューレは青銅製の戦闘人形で、そこらの『平民の』一般兵士よりは遥かに強い。少なくともギーシュは、それを確信していた。
「さあ、ワルキューレよ。あの物分りの悪い子供に、現実というものを教えてやるんだ。……おっと、ただし大きな怪我をさせないようにね」
 主の指示に従い、ワルキューレがなのはに向かってくる。ゆっくりと歩いて。
 あからさまな手抜きだった。自分は本気で相手をしているのではない、と周囲に見せ付けたいのだろう。もちろん、その上で完璧な勝利をと考えてはいるのだろうが。
「う~ん。こっちも少しは気を使うべきなのかな?」
<馬鹿にしているだけです。遠慮は要りません。ここはスターライトブ――>
「駄目」
<了解>
 言い終わる前に簡潔な言葉で拒否され、RHは僅かに落ち込んだ様子だった。少し厳しすぎたか、と考えたなのはだが、
<では、せめてファイアリング・ロックの解除を>
「却下」
 むしろ甘かったのだと、すぐに自分を戒めた。
「とにかく、接近される前に迎撃するよ。ディバインシューター、セット」
 なのはは無造作に立ち尽くしたままでRHに指示する。周囲に拳大の光点が三つ生まれた。
<傀儡人形を無視して、術者への直接攻撃でしょうか? もう少し実戦でのテストは行いたいところですが>
「大丈夫。あれも魔法で編まれたものだし……」
 とは言いつつも、今のRHに物理破壊モードを任せるのは何となく怖い、というのもまた本音ではあった。
 ――普通、物理破壊モードでなければ無機物の傀儡人形は破壊出来ない。ただし例外もある。
 土で出来たゴーレムやゾンビが相手ではどうしようもないが、石を組み上げたゴーレム、中身の無い鎧を組み上げたリビングメイル、骨を組み合わせたスケルトン、などはパーツ同士を結合させている魔力を寸断すれば形状が保てなくなる。
 精密誘導弾が必要になる上に一箇所分解しただけでは意味が無く、手間を考えれば物理破壊モードを使用した方が効率が良い。なのはも実戦ではもちろんそうするのだが、これは模擬戦であり、訓練としても見ていて、かつ異世界における相性を含めた魔法のテストでもあった。
「シュート!」
 なのはは三つの魔力弾を解き放つ。
 三つの魔力弾はワルキューレを取り囲み、しばらく周囲を旋回する。しかしそれも一瞬のことで、すぐさま牙を剥いた。正確に間接部を次々に貫通しながら、旋風のような連続攻撃を見舞う。
 やがて全ての間接部の結合を解かれたワルキューレは、力なくその場に崩れ落ちた。
 野次馬達も残らずメイジである。驚きながらも何が起こったのかと考えを巡らせるが、それが魔力同士の相殺による精密分解作業だったと気付いたのは、秀才のタバサと教師のコルベールくらいだった。
「な――なんだこれは。どういう……」
 そして、最も驚き呆然と立ち尽くすギーシュにさほど注意を向けずに、なのははRHにデータ解析の結果を確認する。
<思念派を阻害する干渉は確認されませんでした。誘導弾の魔力減衰率も特別な数値ではありません>
「じゃあ、いつも通りにやれるってことだね」
 ホッと胸を撫で下ろす。これで、この世界で何かあったとしても全力で立ち向かえば何とかなる保証が出来た。稀に魔法使用に適さない世界というものも存在するので、未開の地では重要な事である。
 それにしても――。
<ガッカリですね>
 言葉にする事を自重したなのはに代わり、RHが暴言を吐く。だが、これを訂正する気分にはなれなかった。
 間接部の魔力結合の破壊など、やる方は簡単ではないが対策は簡単である。対魔力性能の強化、素早い修復、の二つを魔道式に組み込むという程度のものだ。効果の割には処理も大して増えず、当然ながら受ける側が優位である。
 傀儡兵を扱うには初歩的な処置だというのに、何もやっていない。この分だと、魔力制御の中枢すら解析妨害や対魔処理がなされてなさそうである。
「もしかして、非殺傷モードのまま核を撃ち抜けたのかな」
<可能性は高そうです。個人的な技量の問題なのか、或いはこの世界では対魔法戦そのものが少なく技術の進歩が遅れているのか、それは分かりませんが>
「どっちにしろ、次があれば分かるよね」
 なのはは好戦的な性格という訳ではないが、技術や理論に関しては周りが見えなくなるほど探究心が豊かだったりもする。
 思いついた事は試してみたくなり、目の前のお兄さんに頼んでみることにした。
「あの~、もう少したくさん出してみてもらえますか?」
 なのはにしてみれば、単に魔法テストの次の項目を早く始めてくれと、それだけの言葉に過ぎない。そこには油断も無ければ嘲りもなく、遅いから早くしろという意味以外には本当に何の感情も見当たらない。
 侮るどころか対戦相手としてすら見られていないと気付いたのか、無言でぶるぶる震えていたギーシュは高貴に見せる為の仕草などすっかり忘れ、歯軋りしながら顔を上げた。
「この程度で勝ったつもりか!? もっとだ、今度は一つや二つじゃないぞ!」
 それは大変だ。さすがに100や200ともなれば骨が折れる。自分なりに縛りを設けて戦うとなれば、良い訓練になるだろう。飛ばない、防がない、砲撃は無し、といったところか。
 恐れるどころか期待して見守るなのはだったが、目の前に出現したワルキューレは三体だけだった。
「これだけですか? 確かに1や2よりは多いけど……」
 なのはは、あからさまに表情を曇らせた。
「馬鹿にするなよっ!? 僕だっていつまでも変わらないわけじゃないんだ。ワルキューレを三体にまで数を絞り、高度な連携を行いながら敵を追い詰めていく戦術的運用の修練を――」
 どかどかどか、がしゃんごしゃべきがしゃん。
 なのははギーシュの口上を最後まで聞かず、ずっと前に放たれてまだ生き残っていたディバインシューターの光弾を誘導させて、一欠片の容赦も無くワルキューレの胸板を貫いた。
 試しに解析をしてみたら、アッサリと制御中枢が見つかってしまった。ご丁寧に全て心臓の位置で、予備の制御中枢すらも存在せず、あからさまな弱点を衝いただけでこの有様である。
 馬鹿にしているのか。いや、本気なのだろう、彼なりに。
 魔力の使用量は相手に合わせて戦ってみたなのはだが、正直言ってそれでもまだお話にならなかった。魔力運用の基礎技術に差が有りすぎる。そんな世界の魔導師が相手では、先天的に特殊な才能の持ち主でもない限り、訓練相手にもならない。
 最早、これ以上続けても時間の無駄である。
「な……なんなんだこれは。なんなんだ、お前……っ!」
 狼狽え、恐怖に自覚無く後退るギーシュ。
 そんな情けない姿にも最早なんの感慨も無いなのはとRHは、とにかく他の魔法も試し、さっさと昏倒でもさせて終わらせようと算段を始めた。
「あとは、砲撃系の精密射撃でも試しておこうかな」
<マスター。実はあの男を嫌っていませんか?>
「ルイズさんは良い人だとおもうよ。それに辛く当たる人は、ちょっと……ね」
<同感です>
「でもやりすぎは駄目だからね? 犯罪者どころか、悪人でもないんだから。あくまで勝負の相手だから、ちゃんと勝つ。それだけだよ」
<では、具体的にはどの程度にしましょうか>
 そうだね、と答えながらなのははルイズを振り返る。
「主としては、私にどんな感じで勝って欲しいですか?」
 群集の視線がルイズに集中した。本人も自分への言葉だとは信じられずキョロキョロしている。
「え……と……?」
 恐る恐る自分を指差すルイズに、なのははにこやかに頷いた。
 そんなやりとりの中でも、常に他人事みたいな立場で見物していた才人がルイズの肩を叩く。
「良かったじゃないか、なのはちゃんが良い子で」
「どういう意味?」
「細かい事はどうあれ、ここでの生活を面倒見てもらう相手は『主人』と呼べないことも無いだろ。使い魔契約の上下関係か、保護者と被保護者の関係性か、そんな中身まで周囲には分からない」
 つまり嘘ではないのだと、ルイズの耳元で周囲を憚りながら説明する才人。なるほど、とルイズは得心した。
 確かに、そう解釈すれば使える範囲の広い言葉になる。
「つまり、私の指示通りに動いてくれるってことね」
 もちろん強制力は無く、ルイズもそれくらいは分かっていた。その力はなのはのものであり、自分の評価を上げる道具にするつもりも無い。
 ただし、ギーシュには色々と思う所もあった。色々馬鹿にもされたし、以前の決闘で、使い魔の才人を随分痛めつけられたことも忘れたりしない。
 ルイズの口端が邪悪に釣り上がった。邪悪すぎる笑いが漏れ聞こえ、隣に立つ才人がほんの少し後退る。
 何となく薄ら寒いものを感じて、なのはも冷や汗を垂らした。
「お、概ね……。というか、無理な事は無理なんですけど。あの、ルイズさん、聞いてます?」
 もちろん本来なら真逆の立場なのだから、これは全てなのはの好意による関係である。なのはにしてみれば、自分が主人だとルイスが大いに恥をかくのだと認識し、それならば対外的には自分を使い間の立場に置いても構わないと考え、それを知らしめる意味で衆人の注目を浴びるこの場は相応しいと考えただけだ。
「可能な限り、見た目ド派手にやっちゃって!」
 とはいえ、とりあえずこの場は仕方が無い。言ってしまった以上は、せめてご主人様がこの場で完全に気を晴らしてくれた方が良いに決まっている。
 哀れ生贄と化した少年に、さすがに同情を禁じえなかったが。
 非殺傷設定の魔法では、見た目は派手で痛みもあるが、実害は無い。死ぬどころか、外見で分かる様な傷も残らない。
 もちろん魔導師の腕前にもよるのだが、少なくとも高町なのはとRHの放つ魔法によって、非殺傷設定であるにも関わらず意図しない傷を負わせた経験は一度も無かった。
「了解」
 ルイズに向けて答えてから、なのははゆっくりとはギーシュに向き直る。
 当然ながら会話の間、彼は完全に無視されていた。攻撃してくれば対応出来るだけの意識は割いていたのだが、そんな事が相手に分かるはずもなく。
「ふざけるなぁああああああああっ!」
 怒りに総身を震わせるギーシュは、絶叫しながら魔力を爆発させた。
 足元に周囲から土が集まり、山となる。それが不恰好な人型になり、素材が魔力により変質して青銅に変化した。
 青銅製のゴーレム。前かがみの体勢だが、それでも成人男性の三倍はあった。節々も太く頑丈そうで、見下ろされた時の圧迫感は相当なものだろう。そしてこれ程の量の金属、その質量で押しつぶされたら――。
「アイツ、あんな事も出来たのか!?」
 自分と戦った時には無かった技能に驚き、才人は目を見張った。
「基礎はあったでしょうけど……。実戦での即時形成なんて技術は無かったはずよ!」
「そっか。じゃあアイツも成長してるんだな」
 軽薄なだけの印象を持っていた才人は、むしろギーシュを見直した。
 自分への接し方がどうであれ、努力する人間に悪い印象は無い。
「感心してる場合じゃないわ。相当な規模よ!?」
 ギーシュは無理矢理に搾り出した魔力だったらしく、地面に倒れ伏していた。ゴーレムが形状を維持している事から意識を失っている訳ではないのだろうが、だからといって完全制御下にあるとは限らない。
 ルイズは、ギーシュがそれほど悪い奴だとは思っていなかった。子供相手に本気で傷つける訳が無い。そう確信するからこそ、なのはの決闘を無理には止めなかった。
 そんなギーシュの手加減が期待出来ない以上、これはもう殺し合いにまで発展しかねない。残念だが、もうここまでだ。
「なのは、もう負けでいいから逃げて!」
 ルイズは悲鳴のように叫んだが、遅かった。ただ相手を『潰す』ためだけに生み出された巨体は、術者の指示も待たずになのはに向かって突進し、人の手による攻撃ではおよそ有り得ない質量を誇る青銅の腕を振り上げ、躊躇無く全力で叩き付けた。
 誰もが原型をとどめない少女の末路を想像し、眼を背ける。だが、青銅の槌が地面を穿つ轟音はいつまで経っても響かない。変わりに金属同士がぶつかり合うような甲高く耳障りな音が耳を打つ。
 誰もが不審に思い、恐る恐る瞼を開けると、そこには微動だにせず巨大ゴーレムの打ち下ろした腕を受け止める少女の姿。
 ――否。少女の前方に展開された光の幕が、ゴーレムの腕を受け止めていた。よく目を凝らしてみれば、少女自身には全く触れていない。
「防御、使わされちゃったね」
<少しだけ見直しました>
 巨大な構造物が倒れ掛かる勢いそのままの突進と、その攻撃範囲は侮れないものがあった。強度がハッキリ分からない以上、あの質量を誘導弾でどうにかするよりは確実に受け止めた方がリスクは低いとの判断である。
 もちろん、大規模な砲撃や飛行魔法という手もあった。自らに課した縛りを破るという意味では同じ事だが、それらの選択肢を選ぶだけの時間的猶予は無く、なのはの判断速度を上回ったという意味では『防御させられた』という状況は決して軽くは無い。
「少し本気でいくよ」
<了解>
 プロテクションを多重展開。防壁最外層への魔力供給大幅増。ファイアリングロック解除。
 並列展開した思考回路からほぼ同時にそれだけの指示をRHに送ると、大したラグも無く全て即座に実行された。
<バリアバースト>
 RHは合成音声を発すると同時に、三重に展開されたバリアのうち最外層の魔力制御を放棄した。そのまま故意に暴走させ、直後に大規模な爆発。
 本来は肉薄した前衛系を押し戻しつつ自分も弾かれ距離を取る魔法だが、これはそれを更に発展させたもので、守勢におけるゼロ距離攻撃用の魔法である。コンセプトはACSを逆転させたものに近い。
「うわあああ!?」
 物理破壊を許された魔力は、青銅製ゴーレムの右半身を粉々に消し飛ばす。金属製の巨体は勢いあまって後方へ吹っ飛び、召喚主を危うく潰しそうになった。
 意識朦朧としていたギーシュだが、死力を振り絞って地面を這い、ギリギリのところで自分の魔法による自爆という無様な結末だけは免れる。
 彼が自力で避けた事に安堵し、用意していた遠隔からの防壁魔法展開の準備を破棄すると、なのははRHに命じる。
「非殺傷モードへ」
<……了解>
 やや不服そうにだが、それでもRHは従った。
「ご主人様は、派手にとお望みだったよね?」
 過剰なほど好戦的になったRHだが、そんな彼女が望む事をやろうと考える自分に苦笑しつつ、なのはは確認するように言った。
 案の定、強く肯定の意を示すRH。
 アクセルフィンを起動すると、足元に羽が生まれ、付与された魔法効果によりなのはは空高く舞い上がった。

「あの防御力。その後の爆発。それに、あんな高速で飛行できる魔法……。姉様達でも、そんなの一つも出来ないわ……」
 他の見物人たちと変わらず、呆然と空を眺めるルイズの視線の先で、なのはは気持ち良さそうに自由自在の空中散歩を堪能する。
 高速飛行時の切り裂くような風圧は、バリアジャケットの標準設定から対物防御値を抑えるように調整し直し、減殺させず身に刻む。当然、息苦しさを感じるが、それこそ空を駆ける者の特権とばかりに感じるのは清々しさのみだ。
 加速、旋回、急降下、錐揉み、半円シールド展開によるパラシュート効果を利用した急減速と不規則軌道変更――。あらゆる飛行パターンを試していく。
 見知らぬ空。見知らぬ風。けれど、空に包まれる感覚は何処も同じだ。
「いい空だね、レイジングハート」
<極めて清涼な大気です。ミッド程では無いにしろ、文明レベル以上に自然への負担が少ない生活を実現している様ですね>
 長年連れ添ったように錯覚する唯一無二の相棒に声をかけると、彼女は即座に強い同意を返した。
「その空を切り裂いて――」
 なのはは地上から300メートル程の空中に静止し、RHを地上に向けて構えた。
「そろそろ、いくよ」
<了解>
 短く答えたRHへ、魔力バスを大きく開放する。
 砲撃魔法の為に大量の魔力が体外へ吸いだされていく感覚は、ある種の快感だ。それに流されてはいけない。
 とはいえ既に慣れっこなので、機械的に正気を保ちながら宣言する。
「ディバインバスター、スタンバイ。出力は最低に調整。もちろん、非殺傷設定で」
 RHが肯定の意を示す。
 それほど間を置かず、なのはは力の行使を指示した。
「ディバイン……バスター!!」
 がしゃこんがしゃこんがしゃこんがしゃこんがしゃこんがしゃこん――。
 同時に意図した以上に注ぎ込まれる魔力。手元で連続して弾ける大音響。合計六回続いたそれは、つまりマガジン内のカートリッジ全てが高速ロードされた事を意味していた。
「ちょっ……え? えぇっ!?」
 戸惑うなのはだが、魔力砲がその思いに答えて止まるという事も無かった。

























少しでも楽しめたら、押してみてくれると作者が喜びます。





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テーマ:二次創作:小説 - ジャンル:小説・文学

  1. 2010/02/28(日) 23:34:57|
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