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竹内麻巳SS倉庫

Canvas2というゲームで、美術部部長の竹内麻巳のSSを掲載していく予定です。

white day

 実の兄や、千堂兄妹が力一杯祝ってくれる。そんな一年で一番楽しい一日を、白が忘れる筈が無い。彼女は我慢しているつもりで少しも隠せておらず、幸せな気分を一週間以上も前から周囲にまで伝染させていた。
 本人が、ここまで楽しみにしているのでは隠しても仕方が無い。むしろ、忘れられているのではと心配させては逆効果だ。
「もうすぐ白ちゃんの誕生日だね」
 夕暮れ時、二人きりで監督生棟から帰る途中の階段を降りながら、孝平は仕方なくそう切り出した。
 白はビックリして立ち止まり、それからすぐに表情を柔らかく崩す。
「支倉先輩、覚えていてくれたんですね」
「周りからも随分念を押されたからね」
 孝平は、特にプレッシャーの強かった彼女の兄を思い出した。直接確認して良いものか判断に困っていたようで、彼は孝平の事を何日も怖い目で見ていた。孝平は、逆に征一郎に問いかけて話を聞き、しっかり祝うつもりだと誓ってようやく解放されたのだった。
 白ちゃんは愛されているなぁ、と孝平はほのぼの気分で頬を緩める。しかし、白はそんな孝平の様子を不安そうに見つめていた。
 嫌々なのかとか、疑った訳ではないだろう。しかし、小さな不安を抱かせたのは事実だ。
「もちろん、そんな事が無くても忘れたりしないよ。言われる前から―― 一月も前から、プレゼントは準備してあるんだ。渡すのが楽しみだよ」
 待ちきれないのは孝平も同じだった。しかし、まだプレゼントを渡す訳にはいかない。
 代わりに白の頭を撫でてやると、くすぐったそうにしながらも笑ってくれた。
「今年は二人きりで、お祝いしようね」
 昼休みに皆で集まってお祝いして、当日だけは生徒会の仕事も瑛里華会長に任せて早めに帰り、二人きりの時間を長く過ごせるようにとの準備も怠っていない。段取りは既にほぼ完了していた。
 白の喜ぶ顔が見たいからと、ついつい喋り過ぎてしまいそうだった。結果は変わらないが、内容は可能な限りサプライズにするべきだ。孝平も流石にこれ以上はと口を噤むが、そこで白が考え込んでいることに気付く。
「どうしたの、白ちゃん」
「少しだけ、我侭を言いたくなってしまいました」
 聞いてもお願いなんてしてくれない控えめな白ちゃんがと、孝平はむしろ喜んだ。
 是非とも聞かせてくれと、何故か頼み込むような調子の孝平に、白は決意の表情になる。
「わたしは、支倉先輩が大好きです。二人きりの時間は、嬉しいです」
「……うん」
 照れたのはお互い様だった。夕日だけでない朱色に顔を染めながら、二人は見詰め合う。
 しかし、白は苦しそうに視線を足元に落とした。
「やっぱり、言えません。二人きりで居たいのに、こんな事を言うのは我侭です」
 白はそれきり、何も言わない。お願いするのも喜ばれる事はあるのだと、孝平と過ごすうち少しずつ分かってきたのに、何も言えない。
 無理に聞き出すのは簡単だ。白は素直だから、少し言い方を工夫すればすぐにでも納得し、折れてくれる。
 でも、孝平は気付いてあげたかった。恐らく自分を気遣っての遠慮を気付いてあげて、その上で大丈夫だよと笑顔で受け入れてあげたかった。
 だから考える。二人きりが良くて、でも、そうじゃなくなって、恋人に迷惑が掛かるという我侭とは、一体何なのか。
 きっと、それは他人から見れば身勝手なものじゃない。誰もが笑顔で居る事に喜びを感じる少女が、誰かを蔑ろにして喜ぶ筈が無いから。
 白の願いを叶えた結果、面白くないと感じる人間は、恐らくは恋人である孝平のみ。
 そこまで考えて、ハッと気付いた。そう、自分の為にと思っての発言を否定するのはどうかと、白は思ったに違いないのだ。
「ねえ、白ちゃん」
「はい」
「俺はさ、白ちゃんと二人きりで、誕生日を過ごしたい」
「……はい」
 白はまた表情を翳らせる。願いが反対を向いている。よくない事だと、心が通じていないのだと、不安に感じているのかも知れない。
「でも、それと同じくらいに、皆で賑やかに祝ってあげたくもある。どっちかを選ばないといけなくて、凄く悩んだんだ」
 孝平は、白の小さな肩を優しく抱き寄せて、耳元で囁いた。それはご機嫌取りの作り話ではなくて、本当のことだった。
 今年は伊織やかなでが居て、だから皆揃ってとなれば、他ではちょっと見られないくらい賑やかに祝ってあげられる。彼女自身の兄や、小さい頃から仲良しの瑛里華の兄・伊織と一緒に祝ってあげられるのは、最後になるかも知れない。
 白はどちらをどれくらい望んでいるのか。それをじっくり考えてから、孝平は自ら汚れ役を買って出る事を決意する。
「……かなで先輩や伊織先輩とは、今年しか過ごせません」
 孝平が考えをめぐらせている間、どうやら白も同じ事を考えていたようだった。苦笑しながらその事を伝えると、震えていた白の肩がやっと収まる。しかし、それでも白は態度を決めかねていた。
 後一歩踏み出すのが彼女の真の願いならば、背中を押してあげるのはやはり孝平の役目だった。
「白ちゃんが許してくれるなら、皆でお祝いしたいな」
 だって、ただ大好きな人を喜ばせたいだけだったから。彼女が本当に望む一日を用意してあげるのが、孝平自身が最も望むことだったから。
「支倉先輩は、凄いです」
「そうかな?」
「はい。そうじゃなくても好きなのに、もう、なんだか、大変です」
「俺だって、大変だよ。白ちゃんのこと、抱き締めたくて仕方ないんだ」
「それなら、そうしてください。わたしも、そうして欲しいです」
 最後まで言われるまでもなく、孝平は少し強めに、白の小さな身体を抱き締めていた。白は恋人の胸に顔を埋めて、すりすりと子供のように頬を擦りつけて来る。素直に甘えられるのが、嬉しくてたまらない様子だった。
「……ごめんなさい。支倉先輩と、二人きりも素敵だと思うんです。でも、かなで先輩や兄様や、伊織先輩とは最後だと思うと、どうしても勿体無いとも思ってしまいます」
 どっちもだなんて我侭ですよね、と潤んだ瞳で見上げてくる白の頭を優しく撫でながら、孝平は密かに妙案を思いついていた。
「それなら俺は、白ちゃんの望みを残さず叶えてあげるよ」
 白は不思議そうに首を傾げていたが、孝平はただ黙って笑顔を返すのみだった。

 それからバレンタインデーをはさみ、少ししてから白の誕生日会が開かれた。
 お茶会のメンバーはもちろん、生徒会のメンバーや、白と同じ一年生のお友達も含めて、監督生棟で賑やかなパーティが開かれる。予定変更しても人手ややる気が溢れていたので、準備はしっかり間に合った。かなでや伊織は期待通りに場を盛り上げてくれたし、彼らの卒業お別れ会としての意味も、少しは果たせたかも知れない。
 パーティが終わると、片付けは他の皆が引き受けてくれたので、孝平と白は冷やかされながらも二人きりで一足先に寮へと戻る。
 短い二人きりの時間に、それでも白は喜んでくれたが、孝平はそれだけで終わらせるつもりは無かった。
 喜んでくれたのなら、今はそれでいい。そこまで幸せなら、それで満足していて欲しい。水を差す必要なんてとんでもない。でも、やっぱり、もっと喜ぶ顔も見たかったのである。





 3月14日。バレンタインにチョコを貰った男性が、そのお返しをする日だ。
 しかし、この二人に限ってはそれ以上の意味があった。
「あ、あの、支倉先輩……?」
 お茶会と聞いて、孝平の部屋までやって来た白。しかし、そこには孝平以外誰も居なくて、代わりにしっかりと飾り付けされた部屋に驚いている。
 目を白黒させている白を優しくエスコートしてクッションに座らせてから、孝平は卓袱台を挟んで向かいに座った。
「二人きりの誕生日だって、ちゃんと計画があったんだよ。それを、今日にしたんだ」
「でも、バレンタインのお返しには豪華過ぎませんか?」
 喜ぶどころか戸惑う白に、孝平はしっかり説明してあげた。ホワイトデー、つまりは『白の日』であると。
「わたしの日、ですか……?」
「そう。日本中が知らず白ちゃんを祝う日なんだ。だから、俺は他の誰にも負けられないと思った」
 表情に決意を滲ませる孝平の様子が、流石に悪ふざけだと気付いたのか、白はやっとリラックスした様子でくすくすと控えめに笑った。
 そうして、二人でご馳走に手を付ける。家庭的だが、どれも凄く美味しい。出来合いのものではなく、かといって鉄人がという程でもない。
「これは、もしかして皆さんが作ってくれたのでしょうか?」
「うん。……今日のは本来ボツになった誕生日の企画だって、言ったよね」
「はい」
「当日は二人で過ごして、でも皆に祝われているって事も、ちゃんと感じてもらおうかと思っていたんだ。だから、準備は皆の手を借りよう、っていうのはそのままなんだよ」
「では、部屋の飾り付けも、皆さんでしてくれたのでしょうか」
「そうだよ。むしろ、俺は締め出されて勝手に弄繰り回されたんだ」
 女性陣に部屋を任せるのは勇気が要った。事前に危なそうなモノはまとめてダンボール箱に押し込み、親友の八幡平司に預かってもらったとはいえ、何かしら失念してやしないかと、出産に立ち会う父親の如く自分の部屋の前をウロウロしていたものだった。
「ちょっと、残念です」
「……残念?」
 孝平は、自分でやれば良かったのかと後悔した。しかし、白の恥ずかしそうな笑顔を見て、その考えを改める。
「わたしも皆さんと一緒に、支倉先輩のお部屋を弄りたかったです」
 白は申し訳なさそうに言った。孝平が、いつでも白ちゃんなら弄っていいよと伝えると、白は畏まってしまう。確かに嬉しげでもあったが、しかし。
「皆さんと仲良く弄る方が、楽しそうです」
 そう、いかにも白らしい答えを返した。

 食事が終われば、ホワイトデーらしい計画もある。
 お菓子へのお返しとして、お菓子を贈る。ただし、ここでも少しだけ変わったアイデアを採用していた。
「わあ、きんつばです」
 白は孝平の用意したお茶菓子に瞳を輝かせた。
 分かりきっていただろうに、それでも実際に目にすれば気持ちが溢れて、ややオーバー気味に反応してしまう。きんつばには特別思い入れの強い白らしく、孝平もこれを選んで良かったと心底から思えた。
 白は見ているだけの孝平までニヤケてしまいそうになるくらい、ウキウキしながらラッピングを解いていく。
 そこから現れたのは、関係者一同が苦労の末に用意した、一口サイズのきんつば達。その数、もちろん人数分。
「支倉先輩、大変です。きんつばが一杯です。全部、違うみたいです」
「これも皆に作って貰ったんだ。東儀先輩が作り方を知っていたからね。習って、練習して、それぞれに個性を活かして」
「……それは、大変です。本当に大変です。私に分かるでしょうか?」
 どうやら、どれが誰の作品かを当てるつもりらしい。一つ一つに印が付いているし、味も変えてある。孝平は説明しながらと考えていたのだが、なるほどクイズ形式も面白い。
「では、これからいきます」
 白は真剣な表情で一つを手に取り、個別の包装も解く。誰の作品か、孝平はすぐに分かった。さすが、とも思うが黙って見ていることにした。
「……わあ。美味しいです」
 孝平も同じきんつばを選び、白に続いて食べた。何の変哲も無い、普通のきんつば。白の好きな、ささきのきんつばに比べると全然勝負にならない。厳しい言葉を貰っても、何も言い返せない。
 修智館学院の編入試験を受け、結果を知る瞬間もこんな気分だったか。懐かしくも辛い時間は、意外に長かった。
 じっくり味わってから、白はゆっくりと顔をあげて、幸せそうに微笑む。
「幸せな味がしました」
「そうかな。ささきのきんつばに比べると、全然駄目だと思う」
 ちょっと意地悪だが、照れ隠しの意味もあった。
 それでも白は必死な様子で孝平の言葉を否定してくれる。
「料理は愛情と言います。わたしには、ささきのきんつばよりも美味しいです。凄く、あったかい気持ちになれる味でした」
「……ささきの大将に言ったら泣かれるかも」
 嬉しいのに、孝平はまたも照れ隠しで意地悪を言ってしまう。あぅあぅと狼狽える白に、孝平は今度こそ素直に謝って、それと同時に嬉しい気持ちを伝えた。
 気を取り直して、白は二つ目のきんつばを選ぶ。現れたのは、真っ赤なきんつばだった。
「こ、これは、紅瀬先輩の……でしょうか」
「せ、正解……かな」
 毒々しい色はいかにも過ぎた。言い当てるのに食べる必要など無い。
 赤くて、しかも紅瀬仕様。餡子の代わりに何を使ったのか、疑わしいにも程が有る。
 白は甘いものが好きで、対照的に辛いものは苦手だ。白には甘い桐葉であるから、きっと無茶苦茶な辛さにはしていない――と信じたいの半分、疑わしいの半分。
「半分だけ齧ってみたらどうかな」
 半分しか信じられないならと、半分だけ勧めてみる。
 白はその言葉を信じて、半分だけ口にした。そして、そのまま動きを止める。暫くすると、涙がポロポロと溢れてきた。
「だ、大丈夫?」
「ふぇ、ふええぇ……」
 喋ろうとしても、言葉にならなかった。
「た、食べてあげようか?」
 見かねた孝平が提案すると、しかし白は頑なに頭を振る。せっかくのプレゼントだから、大好きな孝平と憧れる桐葉の気持ちの篭もったお菓子だから、その上きんつばだから、と瞳に篭もった強い意思が察せられた。
 説き伏せようとしても、優しい決意は揺るがないのが白だ。その上、きんつばまで絡んではどうしようもない。
 孝平は早々に説得を諦め、あまりの辛さにまだ震えている白の手から赤いきんつばを奪う。
「あ……っ!」
 白が驚いている間に口の中に入れて、ついでに自分の分も無理矢理口の中に押し込んだ。二度に分けたらきっと食べられないと考えての事だが、結果としてそれは正解だった。
「あ、あの、大丈夫、ですか……?」
 孝平の顔面は、みるみる脂汗にまみれていく。それでも何とか無理矢理笑顔。
 さすがは紅瀬仕様、確かに手加減はしていたがあくまで彼女の感覚での話だった。テラ辛がメガ辛になったとて、元が元だけに劇物には違いない。
 白は孝平の様子に、慌てて水を用意する。孝平はそれを一気飲みして、その間にまた次の一杯を用意してくれた白に礼を言いながら二杯目も一気に飲み干して、それでようやく一息ついた。
「やれやれ、情けないな」
「そんなこと無いです。支倉先輩は、やっぱり凄いです。あんなに辛かったのに」
 向けられる方が眩しいくらいの尊敬の眼差しに、孝平は本当に誇らしい気分になった。
「まあ、紅瀬仕様も初めてじゃないからね。というか、大分控えめにしてくれたな、とは思うよ」
「ふぇ……。紅瀬先輩も、凄いです」
「ははは。感心していいのかどうかは、微妙な所だけどね」
 楽しく話しながら、次のきんつばを手に取る。今度は瑛里華のきんつばだった。白も、合わせて同じ包みのきんつばを手に取る。
 味付けまでは知らされていないが、孝平は恐らく瑛里華は甘みの強いきんつばだろうと予測した。本音を言えば甘い物はあまり得意ではない。しかし、それは白には当てはまらない。
 まあ大丈夫だろうとは思いつつ、僅かに後ろ向きな気持ちもあってか孝平は黙ったまま半分だけ齧った。そして、すぐさま後悔する。
「むぉ……」
「あ、甘いです……」
 甘いものが好きな白も、ちょっぴり微妙な反応を見せた。
 味覚がおかしな訳でもない瑛里華が、甘すぎるきんつばを作る。その理由はと想像するなら、恐らくかなでか伊織が絡んでおかしな話になったのだろう。紅瀬仕様に対抗しての瑛里華仕様は、恋人達の甘い一時を演出する、といった意味も籠められているのかも知れない。
 孝平が何より後悔したのは、半分だけ残した事だった。一口目は何とか飲み込んだものの、もう一度これを味わうのかと思うと手が動かない。
 そんな孝平を見かねて、今度は白がその手からきんつばを奪い取った。
「今度は私の番です。甘いものは、私も好きだから美味しいです」
 強烈な甘さは、恐らく強い味の甘味料を使ったものだろう。砂糖の自然な甘みとは違い、好みだけで美味しいとはならないはずだ。孝平はそう考えたのだが、しかし白は照れたような顔で、本心から喜んでいる。
 瑛里華と白は長い付き合いだ。もしかしたら、自分が知らない好みに合わせたのかも知れない。そう納得しようとした孝平だったが、しかし確かに白が先ほど微妙な反応を見せていたのを思い出す。
「間接キス、二回目、です……」
 ぽわぽわしながら呟いた白は、それを自覚して顔を真っ赤にしながら小さくなる。
 尋ねるまでも無く本心を知らされて、孝平はといえば、こちらも反応は似たようなものだった。

 結局、劇物指定は二つだけで、伊織やかなでは変わっているものの意外に美味しい味付けだった。他の者はおかしな挑戦はしないし、幸せに浸りながら一つ一つ味わい胃に収めていく。
 そうして全てのきんつばを平らげた頃にはお腹も一杯になって、甘い物を食べた後で甘い空気にもなって、恋人らしい情熱的な時間も過ごし。
「支倉先輩」
 ベッドの中で抱き合いながら、白は呟くように愛しい名前を呼んだ。
「うん?」
「今日は本当に有難うございます。皆さんとの賑やかな時間も、こうして二人きりで過ごす時間も、とっても素敵でした」
「そうだね。俺も――いや俺たちも、白ちゃんに喜んでもらえて幸せだよ」
「笑顔を貰って、笑顔になって。どんどん、凄い笑顔になります。支倉先輩は、やっぱり凄い人です」
「そこまで褒められると、ちょっと照れるな」
「ちゃんと、約束も守ってくれました」
「約束?」
「はい。賑やかな誕生日と、二人きりの誕生日と、どっちも嬉しかったです」
 今日まで言葉にしなくとも、白は孝平の誓いをしっかり覚えていた。いや、白は孝平との思い出を殆ど全て大切に覚えているに違いない。
 誕生日なんて、どんなに派手に祝われて感動しても、年に一度はあるような恒例行事に過ぎない。これまでだって、これからだって、程度は違えどいくらでも体験出来る。なのに、白は一生に一度というくらい深く深く感謝して、擦れ違っただけの他人も笑顔にしてしまうくらい幸せな笑顔で居続けている。
 いつでもそうなのだ。周りの人達が大切で、その大切な人達と楽しく過ごせれば。なんでもない日々を、特別な出来事が何も起こらないまま過ごせれば。誰もが慣れて気付かなくなっていくのに、この少女はいつまでも新鮮な気持ちで受け止められる。
「白ちゃん」
 素敵な恋人を持って、幸せだ。いつでも真っ白な気持ちで、全てを受け止めてくれる白ちゃん。可愛くて、可愛すぎて、どうにかなってしまいそうだ。
 気持ちのままに恋人を抱き締める。すると、
「支倉先輩、痛いです」
 気持ちが強すぎて、思わず力が入りすぎた。孝平は慌てて身体を離し、心底反省しながら謝罪した。しかし、
「痛いけど、それでもやっぱり嬉しいです」
 それでも白は怒るどころか、はにかむような笑顔をくれた。
























少しでも楽しめたら、押してみてくれると作者が喜びます。





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テーマ:二次創作 - ジャンル:小説・文学

  1. 2009/03/12(木) 20:02:11|
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